美学生インタビューInterview
ミスコン出場へ背中を押したのは……
彩奈さんお久しぶりです。前回、取材させてもらったのは1年ほど前でしたね。記事の反響などはありましたか?
あの時は本当に自分の素を喋ったんですけど、見出しに大きく『陰キャだった』って書いてあったので、昔の私を知らない大学の友達からは「陰キャって本当なん!?」ってビックリされました(笑)
実際に載ってみてどうでしたか?
今まで審査に通って何かに掲載されるってことがなかったし、みんながみんな経験できることじゃないから、美学生図鑑に載せてもらったことは自分の中でとても大きかったです。すごく良かったなって思ってます。
美学生図鑑への掲載後、少しして大学のミスコンに出場してましたよね。
実は2回生の時にも出場を考えたんですが、その時は勇気が出なかったんです。
でも、記事の掲載後に美学生図鑑のカメラマンの悠紀さんに「彩奈ちゃん出たら?」って言われて。その時も最初は私なんか無理やって思ったんですけど、美学生図鑑に載せてもらったことで機会があれば積極的に挑戦していこうって気持ちがだんだん湧いてきて飛び込んでみました。
確かにこういうのに出るには勇気がいります。
ミスキャンに出てる人に対して“自分のことを可愛いと思ってる子たち”って感じでネガティブに言う人もいるじゃないですか。
だから自分が出るかを考えた時、自分がどこまで通用するか試すため、人生をより色鮮やかにするため、勇気を振り絞って出るべきか、周りを気にして誰からも目を付けられない普通の大学生活を送るべきか、ものすごく葛藤したんです。
周りにどんな反応をされるか怖かったので、応募したことは数人にしか言わず面接の結果を心臓バクバクで待ってました。
結果は合格で見事ファイナリストになったわけですが、その時の心境は?
「選ばれた!!」ってシンプルに嬉しかったです。けど、期間中は絶対に友達の助けがいるからやっぱり不安はありましたね。
実際、友達や周りの反応はどうでしたか?
怖かったので直接は言わなかったです。その代わりにSNSに、本当に恐る恐る載せたら「すごい!」「頑張って!」とか「どうやって投票するの?」「友達にも教えるね!」って、今までもらったことがないくらいたくさんのコメントが来て。その時点で感極まって泣いちゃったんですよ。
ミスコンに出るってやっぱり反響あるんですね。
悲しいコメントもあるって聞くけど、その分応援してくれる人たちの言葉が私の背中を押してくれたから、その瞬間に不安と戦う覚悟ができました。
毎回“しもぽち”(投票)したよって報告してくれる友達もいてちょっと恥ずかしかったけど、学校もバイト先も、もちろん親も、自分のことを親身になって考えてくれる人がこんなにも周りにいたんやって気が付いて。
“感謝の気持ちを忘れずに”って言うけど、こういう体験をしないと本当の意味での感謝の気持ちはわからないなって思いました。
ファイナルイベントでは2度の大号泣
活動中に批判やアンチコメントはありましたか?
ミスキャン出場者ってファンもたくさんいる反面、叩かれるイメージもあったけど、私の場合そういうのがほぼなくて、それでしんどくなることはなかったですね。
けど、同志社女子のミスキャンは途中でSNS投票の票数が毎日わかるようになったんです。自分以外の4人の名前は非公表ですけど5人分の数字が夜にLINEでバーっと来るんです。
毎日ですか。一喜一憂しそう……。
私はこれで一気にしんどくなりました。他の人との差がわかるし、当たり前ですけど入れてもらえる票は毎日バラつきがありますよね。
昨日は100票で今日は60票だったとすると、じゃあ私に入らなかった40票は誰のところに行ったのかとか、もう自分には投票してもらえないんじゃないかって数字に囚われてしまって。
確かにグランプリになるのが一番いい結果なんですけど、票数に感情を左右されてすごくネガティブな思考になってました。
事前のWeb投票の割合ってそんなに高くないって聞きます。そんなに気に病まなくても……。
同志社女子は他の大学より規模が小さいし、当日私の友達は来てくれるのかなって考えたら当日票は稼げないんじゃないか、事前票でどうにかしないとっていう焦りがあって。
そういったマイナス思考からは抜け出せましたか?
ミスキャンの面接を受ける時にそれまでの考えをメモしてあって、それを見返すようにしたのが結構大きかったです。なんで応募したのか、自分の素直な気持ちを書いていて。
一度でいいから周りの人ができないような経験して、自分の人生を鮮やかにしたいっていうのが本音、素の考えで、そのメモを見たとき我に返ったじゃないけど、私が求めていたことが何だったのか再確認して、気持ちをリセットできました。
強いですね。では、ファイナルイベントではどんなパフォーマンスを?
美学生図鑑のインタビューで前に軽音楽部でボーカルをしてたって言ったのもあって、歌声や言葉で想いを伝えたら来てくれた人に気持ちが届くかなって思って歌を披露することにしたんですけど、リハーサルは正直、声震えまくりで。自分、ホントにボーカルしてたんかな?みたいな。久しぶりなのもあったんですけど音程も外れて、頭真っ白になっちゃって。
最後だから緊張しますよね。それで本番はどうでしたか?
これが集大成だってなんとか気持ちを切り替えて、絢香さんの『三日月』にただひたすら自分の想いを乗せました。たぶん今までで一番堂々と歌えたと思います。
で、自信満々に歌って、終わったら舞台裏に下がるんですけど、下がった途端に号泣しました。もう無意識に涙が出てきて。舞台から下がったら目の前にスタッフさんがいて、すごく泣きそうな顔でこっち見てるんですよ。それで、あ、上手くいったのかなって思った瞬間、ブワーッ!って。張り詰めてた感情が一気にほどけて、安心感ですよね。人ってこんなに泣くんやってくらい号泣しました。
あとは結果発表だけですね。その時はどんな気持ちで舞台に?
今まで何か大きなことをやるとき、いつも必ず悔いが残ったんですよ。中学の部活のソフトテニス部が特にそうで、あの時こう打てばよかった、こういう気持ちで挑んでたら結果は変わっていたかも、って。
でも、今回初めて結果発表を迎えても悔いはなく、もう待つだけって気持ちでした。
それで最終的にグランプリを獲ったわけですよね。
もう大号泣でした。心の中で全力で1番!1番!って願ってたので、司会の方が「エントリーナンバー1番」の『1』って言った瞬間またブワーッ!って。
最後のスピーチも必死に涙を堪えながら鼻水もすすりながらだったので、何を言ってるかわからなかったかもですけど、自分なりに感謝の気持ちを精一杯伝えました。
終わってから家族や友達はなんと?
私の親って、私のインスタとか見てくれてるんですけど「この写真イマイチやな。」「何なんこの文章?」ってあまり良く言ってくれなくて。応援してくれてる分、褒めてくれることは少なかったんですけど、終わって携帯見たら「堂々と歌えてたし、歌声ものすごくよかったよ、お疲れ、彩。」って来てて。
その言葉に今までの辛かった気持ちが一気に晴れたというか。来てくれてた友達も泣いてて。私のために泣いてくれてる、いい友達に出会えたなって思いました。本当に絶対に1人では乗り切れなかったけど、出て良かったっていう気持ちが100%でしたね。
成長した姿は見せられましたか?
言ってた通りの貴重な経験ができましたね。では、話題を変えて。今回は浴衣で撮影でした。どうでしたか?
やっぱり浴衣を着るとテンションが上がります。浴衣マジックで普段より可愛く写るイメージがあるので、この特集へのお誘いがあったときはもうめちゃくちゃ嬉しかったです。
今回は京都の和凛という着物レンタル店で借りました。
私、優柔不断なので決めてきたんですよ。紫が好きなので紫でって。でも、ちょっと暗めというか淡い色だったので、帯はハッキリした黄色にして可愛らしさや女の子らしさを出せたらいいって考えてこれを選びました。
彩奈さんは自分の浴衣は持ってますか?
持ってます。紫と、黒に赤やピンクの柄が入ったやつと、爽やかな青色、3つ持ってます。
なので、普段はレンタルすることはないんですけど、お店だと着付けとかすごく早いし、髪型も短時間でこんなに凝った感じにできるんやと思って。
浴衣は最近いつ着ましたか?
基本、私が浴衣を着る時は花火大会です。去年はなかったので一昨年ですかね。毎年淀川の花火大会に行きます。でも、朝に着付けてもらって張り切りすぎて、夜には着崩れするんですよね(笑)
改めて、今回の撮影はいかがでしたか?
ものすごく楽しかったです。でも、1回目の撮影の時、全然笑わない子と思われてたのがちょっとショックでした。ただひたすら緊張してただけなので全然笑いますよ(笑)
表情も1回目と全然違ったし、笑顔もすごく良かったなって思いました。
前回はホントに全然カメラに慣れてなかったので正直ガチガチでした。雨も降ってたので髪の毛もボサボサだし、もうちょっと表情豊かに写れたんじゃないかって。
でも、今回撮ってもらった写真を見せてもらったら、私も1回目に比べてすごく自然な表情で写れてるなって思いました。
楽しいって感情をカメラに見せれたし、成長した姿というか自分の素を見せれたんじゃないかなって。それもまた達成感ですね。