美学生インタビューInterview
カクテルドレスって何?わからなくてググりました(笑)
ミス・インターナショナル・ジャパン2020に出場したそうですね。きっかけは何だったんですか?
知り合いの人に「こういうのがあるんだけど興味ない?」って紹介されて、最初はお断りしたんです。
ただ、その時の私は大学に行ってアルバイトに行っての繰り返しで、ずっと同じような生活をしていたから、大学生のうちに何か大きなことにチャレンジしておいたら、もしかしたら次のステップへのきっかけになるかなと思って。
でも、一次審査の書類選考でさえ通るわけないと思っていたし、とりあえず出しちゃえ!っていう軽い気持ちで応募しました。
全体で応募者数ってどれくらいいるんですか?
1000人ぐらいです。だから、一次審査を通過しましたっていう連絡が来た時は、「まじか。」ってなりました。そのあと二次審査が大阪であって。でも、もうそこで終わりだと思ってました。
二次審査ではどういったことをするんですか?
もともとは「ウォーキングと自己PRをしてもらった後、質問をします。」って言われてました。大体自己PRと質問1分ずつぐらいって言われてて、自己PRの内容をめっちゃ考えてたんですよ。
そしたら当日、自己PRがなくなって、水着でのウォーキング審査が終わったあとカクテルドレスに着替えて、審査員の方々の前で質問に答えるっていう感じになったんです。「今気になっているニュース」とか、「もし、あなたがミス・インターナショナルになったら何ができる?」みたいな質問がいくつか用意されていて、その中からランダムで一つ、審査員の前に立った瞬間に聞かれる形でした。
私はニュースの質問で、その時ちょうど参議院選挙があったので、若者の投票率が低いことについて話しました。てっきりそれで終わりかと思っていたら、「では、あなたはその問題に対して何をすることが効果的だと思いますか?」ってさらに質問が来て、焦りましたね。緊張していたので正直あまり覚えてないんですけど、とにかく思ってることを喋って終わりました。
ウォーキング審査の方はどうだったんですか?
カクテルドレスなんて着たことないし、そもそも「カクテルドレスって何?」ってところから始まって、まずググりました(笑)
フォーマルな場面で着用されるドレスのことなんですけど、ドレスも水着も全て自己負担なので、安いけど安っぽく見えないやつを必死に探したり、水着はすでに持ってたやつを着たりしてました。
そしたら当日、カクテルドレスっていう縛りがあったのに、違うの着てる人もいたし、そのドレスどこで買ったん?!みたいな衣装の人もいたし……そういう周りの人に圧倒されて、「あーもう終わりや。」って思ってました。
自分が選ばれるとは思ってなかったんですね。
ほんとに、まさか選ばれるなんて思いませんでした。
ちょうど就活でインターンに参加してる最中に合格通知がメールで届いて。その時は、メールを読んで考えだしたら就活に集中できなくなっちゃうと思って、いったん放置して、参加の正式な返事をする期限の前日に家族会議を開きました。二次審査よりあとは審査が東京で行われるので、旅費も全て自腹だし、金銭面も含めて話し合いました。
最終的に、ここまで来れたってことは縁もあるだろうし、せっかくだからってことで、参加の返事をしました。正直どこが合格ラインで、どういうところを見られているのかわからなかったんですけど、とにかく選んでいただけてありがたかったです。
“ミスらしさ”という縛りからの解放
ファイナリストになってから大会本番まではどれくらいの期間があるんですか?
ファイナリストに選ばれたのが9月ごろで、大会が11月末なので、2~3か月ですね。その間に東京でのセミナーが2~3回と、大会本番の4日前くらいから通し練習がありました。
それとは別に、関西でも、過去のミスコン出場者の方からウォーキングのレッスンをしていただけることになって、関西にいる他のファイナリストたちと一緒に受けてました。
印象的だったセミナーってありますか?
やっぱり関西でやってもらったセミナーが印象的でした。東京でのセミナーより少人数で、一人ひとりにかけてもらえる時間が多いので、とても密の濃い時間でした。
頭の位置から足の先まで全部指導していただいて、ただ歩いてるだけなのにすっごい汗かくんですよ。回を重ねるごとに自分が成長してるのもわかるから楽しかったし、有意義な時間でした。
日ごろから筋トレとか、努力したことはありますか?
してましたね。筋トレと、壁立ちっていうのをやってました。壁立ちは、後頭部と背中と両足のかかとを壁につけて立つっていうトレーニングなんですけど、これを毎日やって、壁がなくても綺麗な姿勢が保てるように続けてました。
筋トレは、自分の気になるパーツ、私だったら太ももを鍛えてました。あとはめっちゃ走ったり、とにかくその3か月はミスコンのためだけに費やしてました。
しんどくなかったですか?
めっちゃしんどかったですよ。途中で心折れて、お母さんに「どうしよう〜」って相談したこともありました。
私服審査もあって、それが一番の悩みどころでした。私服はたぶん、どれだけ自分らしくてミスらしいか、みたいなところを見られるんだと思うんですけど、お金もないし自分のできる範囲でどうやってそれを表現しよう、とか、そういうのも含めてストレスは溜まってました。
そして、そのストレスをお母さんにぶつけてしまって怒られるっていう(笑)でも、お母さんがちゃんと話を聞いてくれたので良かったです。
お母さんには何て言われたんですか?
私は勝手に“ミスらしい”っていう縛りにとらわれてたんですけど、「そんなんミスらしいとか誰もわからへん。」「あんたの好きな格好で行きなさい。」って言われて、それで結局好きな格好で行きました。
好きな格好ってどんな?
私はパンツスタイルが好きなんです。でも、ミスらしいっていうと、ワンピースとかひざ丈のスカートとか女性らしくて上品な服装を思い浮かべる方が多いと思うんです。私もそうでした。
でも、普段はひざ丈のスカートはあまり履かないし、それで素の自分を偽るのは違うかなって。心の内ではそうやって思ってたんですけど、ずっとミスらしさにとらわれていたから悩んでました。
結局、私服審査の時に、もういいや!って思って黒のパンツに白のジャケットで行って、そしたらパンツスタイルは私だけだったんですよね。「うわ、やらかした。」ってちょっと思いましたけど、逆に吹っ切れました。
ミスコンを経て、今でも活きてるなってことありますか?
まず、美容的なことで言ったら、姿勢ですね。もともと姿勢はあまり良くなかったんですけど、ウォーキングレッスンで姿勢を基礎から直しました。姿勢が変わるだけで、顔の印象も身体のバランスも変わるっていうのがわかりました。首が大事なんですよ。首の筋肉をちゃんと使うことが大事って教えてもらって、それが今でも活きてます。姿勢を正すことで使われてない筋肉も使うことになるので、身体のラインも綺麗になりました。
あと私、ミスコン全部を楽しむことができたんです。審査もきつかったですけど、結局は自分の好きなスタイルで行ったし。本番も会場では音楽がガンガン流れてて、舞台裏ではファイナリストみんなで踊ってました。特に今年のファイナリストは仲が良くて、通し練習を何回かやってる間に曲も覚えるから、踊って踊って、私もずっと踊ってましたね。
緊張もするけど“自分らしく楽しむ”っていう、これは目標の一つでもあったんですけど、それが大会終わるまでずっと出来ていたなって。舞台に出ても、ドキドキするというより楽しいって気持ちの方が強かったです。たぶんミスコンのあの舞台でそう思えたら、大体のことは楽しめると思うので、自分にはそういう強みがあるんだって思いました。
年齢も職業も異なる多くの女性と出会って、たくさんお話が出来たことや、同じ目標に向かって突き進んだことは、今後様々なことに生かされるはずだと感じています。ミス・インターナショナルにチャレンジしていなかったら出来なかったことが数えきれないほどあるし、挑戦してよかったなと心から思います!
海外ドラマで鍛えた英語力をアルバイトでも発揮!
アルバイトは何をしてるんですか?
今は、ハンバーガーショップと京料理屋でアルバイトしています。
以前は着物のレンタル屋さんの受付とかやってました。外国からのお客さんも結構多いんですけど、外国の方ってそもそも着物が何なのかもわかってないし、帯とかもどうやって身体に巻きつけるのとかもわからなくて。着付けするのは私じゃないんですけど、そういうのを全部英語で説明するっていう役割です。
そこで割と英語は鍛えられて、最終的に30人くらいの外国人のツアーの司会やったりもしました。
すごいですね。英語めっちゃ得意じゃないですか。留学とかしてたんですか?
高校生のときに1か月だけです。でも、私が一番英語力がついたと思う理由はNetflixですね。もう毎日観てます。海外ドラマを観るようになって、ただただセリフ聞いてたり、同じ映画を5回くらい観たりとかしてずっと英語を聴いてたら、結構自然と英語が出てくるようになりました。あと、テラスハウスを英語で見たりとか。洋楽も好きでよく聴いてます。
バイトで英語が生かせたエピソードはありますか?
ちょうどこの前も外国の方で、ベジタリアンに近いヴィーガンのお客さんが京料理屋に来たことがあって。ヴィーガンの人はお肉と魚からできてるものも全部食べないんですよ。でも、日本料理のダシは鰹節からできてるので、それは大丈夫なのかっていうのをお客さんに英語で聞いたり、代わりに違う料理にしたりしました。
あとはポン酢って何?って英語で聞かれたりもします。そうやって、自分が当たり前だと思っていたことが当たり前じゃないっていう状況に巡りあえてるし、日本ではなかなかできないことを経験できているなって思います。
外国人客の方に頑張って説明したら、ただの店員とお客さんの関係だったのが、お店を出るころには名刺を渡してくれたり、「ドイツ来る時は連絡して。」って言われたりして、とても嬉しかったですね。将来も何か英語が生かせる仕事ができたらと思います。